ポンドの始まりはイギリスの始まり。1ポンドは何円なのか?
イギリスの通貨である「ポンド」は、第二次世界大戦以前に基軸通貨として流通していたメジャー通貨です。
ポンドの始まり(起源)や現在の価値、EUとの関わりなど、今役に立つウンチクをご紹介します。
ポンドはいつ始まった?ポンドの起源
イギリスのお金の単位である「ポンド」の起源は、紀元前の古代ローマ時代と言われています。
重さ1ポンドウス(当時の約327グラム)の銀から240個のデナリウス銀貨が作られました。
これにならって、イギリスは760年頃、重さ1ポンド(約454グラム)の銀から240個のペニー銀貨を作りました。
近世までイギリスでは、12進法と20進法の交じった複雑な物。
また、ペンス(ペニーの複数形)だけでなくシリング、クラウン、フローリン、ギニーなど驚くほどの数の補助通貨があり、1ポンド=20シリング=240ペンスという分かりにくいものでした。
そこで、1971年2月13日に、ようやく10進法を取り、1ポンド=100ペンスとなりました。
EUなのにユーロじゃない理由
イギリスの通貨、英ポンド、スターリング・ポンド(pound sterling)と言います。
通貨記号は £、通貨コードはGBP、STGです。
ヨーロッパ連合EUの主要国にもかかわらず、ユーロを採用せず、ポンドを使ってます。
これは当時のEUの第一国ドイツに対抗するためと言われています。
また、ユーロを導入した場合、独自の金融政策が行えず、国際的な競争に負けてしまう事を恐れたためです。
今後、ポンドはどうなる?
ちょっと前までは、「強い通貨」として君臨していたイギリス・ポンドですが、先日行われた「EU離脱を問う国民投票」で離脱派が競り勝ち、その影響でポンドは急降下しています。
今までポンドは3回の急降下を体験してきました。
- サッチャー政権下での大不況
- BOE(イングランド銀行[英国中央銀行])がジョージ・ソロスに敗れた屈辱の戦い
- サブプライムローン問題からリーマンショックに至る一連の暴落
上記の大暴落の際、17%~28%もレートが下がったそうです。
しかし、今回のEU離脱の影響では、下げ幅がまだ10%。
まだまだ下がる可能性があります・・・。
悪魔のポンド・レート
暴落時の日本円に対するレートの変動を見てみましょう。
- サッチャー時代 445円 → 306円
- BOE の敗戦 224円 → 167円
- リーマンショック 236円 → 150円
- EU離脱国民投票 185円 → 140円
元々、主要通貨(米ドル・ユーロ・円)と比較してボラティリティ(変動幅)が大きいという特徴を持っています。
それにしても、変動率の高いコト。
FX(外国為替証拠金取引)相場においては相場の進展の早さと価格の変動幅の大きさと不規則な値動きで有名で、ある種ギャンブル性を持ったお金と言えます。
他の通貨よりも短期で大きなリターン(利益)が期待できるため、熟練者の中には好んでこの通貨の取り引きを行う方もいらっしゃるそうですが。
ポンドは別名「殺人通貨」(あるいは「悪魔の通貨」)とも呼ばれるそうですよ・・・。
しかし、熟練者のコトよりも、イギリスとEUの今後が心配です。